退職を決意したものの、「退職届の書き方がわからない」「退職願と退職届、辞表は何が違うの?」「テンプレートはどこで手に入る?」と悩んでいませんか。退職に関する書類は、書き方やマナーを間違えると印象を損ねたり、手続きがスムーズに進まなかったりすることがあります。
この記事では、退職願・退職届・辞表の違いと出すタイミングから、退職の種類とそれぞれのメリット・デメリット、退職願の書き方(縦書き・横書き)と例文、退職届の書き方のポイント、封筒の書き方、無料テンプレートの入手方法、そして退職後の手続きまで、必要な情報をまとめて解説します。はじめての退職でも、この記事を読めば安心して手続きを進められます。

- 退職願・退職届・辞表の違いと、出すタイミング
- 退職の種類(自己都合・会社都合・希望退職・退職勧奨)とメリット・デメリット
- 退職願・退職届の書き方(縦書き・横書き)と例文、封筒の書き方
- 無料テンプレートの入手方法5選と、退職後の手続き
退職願・退職届・辞表の違いと出すタイミング
まず、混同しがちな「退職願」「退職届」「辞表」の違いを整理しましょう。

退職願は、会社に退職を「お願いする」書類です。退職の意思を会社に伝え、合意を求める段階で提出します。あくまで願い出なので、会社が受理(承諾)する前であれば撤回できる場合があります。
退職届は、退職が決まったあとに「退職します」と届け出る書類です。会社の承諾を得て退職日が確定した後に提出するもので、原則として一度提出すると撤回できません。
辞表は、会社の役員や公務員など、雇用契約で働いていない立場の人が辞意を示すときに使う書類です。一般的な会社員の場合は、辞表ではなく退職願または退職届を使います。出すタイミングとしては、まず直属の上司に口頭で退職の意思を伝え、必要に応じて退職願を提出し、会社と退職日を調整・合意したうえで、最終的に退職届を提出するのが一般的な流れです。会社によっては退職願を省略し、退職届のみを求める場合もあるため、就業規則を確認しておきましょう。
| 書類 | 意味・役割 | 使う人・タイミング |
|---|---|---|
| 退職願 | 退職を会社にお願いする書類。受理前なら撤回できる場合あり | 退職の意思を伝え、合意を求める段階 |
| 退職届 | 退職が確定した後に届け出る書類。原則撤回不可 | 退職日が決まった後に提出 |
| 辞表 | 辞意を示す書類 | 役員・公務員など雇用契約で働いていない立場の人 |
退職の種類とそれぞれのメリット・デメリット
退職には大きく分けていくつかの種類があり、それぞれ失業給付などの扱いが異なります。自分のケースを正しく理解しておくことが大切です。

自己都合退職とは、転職や独立、家庭の事情など、労働者自身の都合で退職することです。メリットは、自分の意思とタイミングで辞められ、円満退職しやすい点です。デメリットは、雇用保険の失業給付を受け取るまでに給付制限期間があり、受給開始が遅くなる傾向があること、給付日数も会社都合より少なくなりやすいことです。
会社都合退職とは、倒産・リストラ・事業所の閉鎖など、会社側の事情で退職を余儀なくされることです。メリットは、失業給付の受給開始が早く、給付日数も手厚くなる傾向があることです。デメリットは、突然職を失う不安や、転職活動で退職理由を説明する必要が生じる場合があることです。
希望退職とは、会社が経営上の理由で退職者を募集する制度で、応募して退職することです。多くの場合、割増退職金などの優遇条件が用意されます。メリットは、上乗せされた退職金を受け取れる可能性があることです。デメリットは、自ら応募する形でも実質的に職を失うことになり、再就職の準備が必要になる点です。
退職勧奨とは、会社が労働者に退職を勧めることです。あくまで「勧め」であり強制ではないため、労働者は応じる義務はなく、断ることもできます。メリットは、条件次第で会社都合扱いとなり、優遇を受けられる場合があることです。デメリットは、勧奨に応じるかどうかの判断が難しく、不当な退職強要にあたるケースもあるため、慎重な対応が必要な点です。
| 種類 | 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|---|
| 自己都合退職 | 自分の意思とタイミングで辞められる | 失業給付の受給開始が遅く、日数も少なめ |
| 会社都合退職 | 失業給付が早く、手厚い傾向 | 突然の失職、退職理由の説明が必要な場合も |
| 希望退職 | 割増退職金など優遇を受けられることがある | 実質的に職を失い、再就職準備が必要 |
| 退職勧奨 | 条件次第で会社都合扱いになる場合も | 判断が難しく、不当な強要のケースもある |
※会社都合退職や退職勧奨は、失業給付や退職金の条件に大きく関わります。トラブルが懸念される場合は、後述する書類のやり取りを記録し、必要に応じて社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談しましょう。
退職願から退職届を出すまでの一般的な流れ
退職の意思を固めたうえで、就業規則で退職の申し出時期を確認します。
多くは1〜2か月前まずは直属の上司に口頭で退職の意思を伝えます。いきなり書類を出すのはマナー違反になりがちです。
必要に応じて退職願を提出し、退職日や引き継ぎについて会社と調整・合意します。
退職日が確定したら、退職届を提出します。
業務の引き継ぎを行い、貸与品の返却や私物の整理を進めます。
退職日を迎え、離職票などの必要書類を受け取ります。
期間の定めのない雇用契約であれば、原則として退職を申し入れてから2週間で契約を終了できます。ただし円満退職のためには、就業規則に沿って余裕をもって伝えるのが望ましいでしょう。
退職願・退職届の書き方(縦書き・横書き)と例文
退職願・退職届は、縦書きで書くのが最も正式で一般的とされますが、横書きでも問題ありません。
会社からテンプレートやフォーマットの指定がある場合は、それに従いましょう。
手書きの場合は、白い便箋に黒のボールペンか万年筆で丁寧に書きます。ここでは退職届の縦書きの例文を紹介します。
1行目の中央に「退職届」と書き、改行して下部から「私事、」と書き出します。次の行で「このたび一身上の都合により、来る令和○年○月○日をもって退職いたします。」と退職の意思と退職日を記します。
続いて提出年月日、所属部署と氏名(押印)、最後に会社名と代表者の役職・氏名に敬称「殿」を添えて宛名とします。退職願の場合は、文末を「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」とすると、お願いのニュアンスが伝わります。横書きの場合も記載する内容は同じで、上から順に「退職届」「本文」「日付」「所属・氏名」「宛名」を配置します。
※辞表 書き方 例文を探している役員・公務員の方も、タイトルを「辞表」に変えれば基本構成は同様です。
退職届の書き方のポイント(4つの要素)
退職届を書くときは、次の4つの要素を押さえれば、形式の整った書類になります。
①タイトルと書き出し。1行目の中央に「退職届」(退職願の場合は「退職願」)と書きます。本文の書き出しは、行の下のほうから「私事、」または「私事、このたび」と始めるのが慣例です。
②日付。退職届に記載する日付は2つあります。本文中に書く「退職日(最終出社日ではなく退職する年月日)」と、文書の作成・提出日です。和暦・西暦は社内の慣習に合わせ、文書全体で統一します。③退職理由。自己都合の場合は具体的な理由を書かず、「一身上の都合により」とするのが原則です。
④提出者と宛先。提出者は自分の所属部署と氏名を書き、必要に応じて押印します。宛先は会社の最高責任者(代表取締役社長など)の役職・氏名とし、敬称は「殿」または「様」を用います。自分の名前より宛先を上に、または大きく書くのがマナーです。
具体的な退職理由の書き方
退職理由の書き方は、退職の種類によって異なります。自己都合退職の場合は、たとえ本当の理由が転職や人間関係であっても、退職届には詳細を書かず「一身上の都合により」とまとめるのが一般的です。これは円満退職の観点からも無難です。
一方、会社都合退職の場合は「一身上の都合」と書いてしまうと自己都合とみなされ、失業給付などで不利になる可能性があります。
会社都合のときは「事業所閉鎖のため」「部門縮小に伴う退職勧奨により」など、会社側の事情を具体的に記載します。退職理由の表現は失業給付の区分にも影響するため、会社都合に該当する場合は記載内容を会社とよく確認しましょう。口頭で上司に伝える退職理由は、引き止めを避けるためにも「一身上の都合」「家庭の事情」「今後のキャリアのため」など前向きで簡潔な表現にとどめるのがおすすめです。
退職届を書く際に準備するもの
退職届を手書きで作成する場合、次のものを準備しましょう。
第一に、便箋です。白無地、またはシンプルな罫線入りのB5またはA4サイズが適切です。派手な色や柄のものは避けます。
第二に、筆記具です。黒のボールペンまたは万年筆を使い、消えるボールペンや鉛筆は使いません。
第三に、封筒です。白無地で郵便番号の枠がないものを選びます。便箋がB5なら長形4号、A4なら長形3号の封筒が適しています。
第四に、印鑑です。会社の慣習によっては押印を求められる場合があるため、認印を用意しておくと安心です。パソコンで作成して印刷する場合も、本文の内容は同じで問題ありません。最近は退職届 テンプレート スマホ対応のサービスもあり、スマートフォンから作成・ダウンロードして印刷することも可能です。
退職届を書く際の注意点
退職届を書くときは、いくつかの点に注意しましょう。まず、誤字脱字や修正に注意します。重要な書類なので、間違えたら修正液で直さず、新しい便箋に書き直すのが望ましいです。
次に、退職理由は自己都合なら「一身上の都合」で統一し、不満や批判的な内容は書きません。
日付や宛名、自分の所属・氏名に誤りがないか、提出前に必ず確認します。会社所定のフォーマットがある場合は、自己流ではなくそのフォーマットに従います。
また、提出のタイミングにも注意が必要です。就業規則で定められた申し出時期を守り、繁忙期を避けるなどの配慮があると、より円満に進みます。退職届はコピーを取って手元に控えを残しておくと、後のトラブル防止に役立ちます。
退職届に必要な封筒の書き方
退職届は封筒に入れて提出するのがマナーです。封筒の扱いも押さえておきましょう。
①封筒の書き方。白無地の封筒の表面中央に「退職届」(または「退職願」)と縦書きで書きます。裏面の左下に、自分の所属部署と氏名を書きます。郵便番号枠のない無地の封筒を使うのが基本です。
②封筒への封入方法(折り方)。退職届 折り方は、便箋を三つ折りにするのが一般的です。書き出しが内側になるように、下から3分の1を折り上げ、次に上から3分の1を折り重ねます。
封筒には、便箋の右上が封筒の裏面から見て右上にくる向きで入れると、受け取った相手が開いてすぐ読める向きになります。手渡しの場合は封をしないこともありますが、迷う場合は封をして「〆」と書いても問題ありません。
③郵送する場合の添え状の書き方。やむを得ず郵送する場合は、添え状(送付状)を同封します。添え状には、頭語(拝啓)と結語(敬具)、時候の挨拶、退職届を同封する旨、これまでの感謝とお詫びの一言、日付、宛名、自分の氏名を簡潔に記します。退職届の封筒は、さらに大きめの封筒に添え状と一緒に入れて郵送します。
無料テンプレートの入手方法5選
退職届をゼロから作るのが不安なら、無料テンプレートを活用すると確実です。フォーマットが整っているので、必要事項を入力・記入するだけで完成します。退職届 テンプレート 無料でダウンロードできる代表的なサイトを5つ紹介します。
1. bizocean(ビズオーシャン)。国内最大級のビジネス書式サイトで、退職届・退職願のテンプレートをワード形式などで無料ダウンロードできます。書式が豊富で実務に使いやすいのが特徴です。
2. Microsoft Create(Officeテンプレート)。ワードと相性がよく、シンプルで整ったテンプレートを無料で入手できます。普段ワードを使う方に便利です。
3. マイナビ転職。転職サイトが提供する退職届・退職願のテンプレートやフォーマットで、書き方の解説も併せて確認できます。
4. doda(デューダ)。こちらも転職サイトが提供するテンプレートで、退職願 書き方のガイドとともにダウンロードできます。
5. Canva(キャンバ)。ブラウザやアプリ上で編集でき、退職届 テンプレート スマホ対応として、スマートフォンからも作成・出力しやすいのが魅力です。これらのサイトから自分の状況に合うフォーマットを選び、会社の指定がある場合はそちらを優先しましょう。
退職の手続きや書式は、会社の就業規則や個別の事情によって異なります。本記事は一般的な解説であり、会社都合・退職勧奨・トラブルが関わる場合は、就業規則を確認のうえ、社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
退職届の提出前後の注意点
退職届の提出前には、まず直属の上司に口頭で退職の意思を伝えておくことが大切です。書類だけを突然提出するのは避けましょう。
また、就業規則で定められた申し出時期を守り、引き継ぎのスケジュールも考慮して提出時期を決めます。提出は、原則として直属の上司に手渡しするのがマナーです。提出後は、業務の引き継ぎ資料を整え、後任者へ丁寧に引き継ぎます。取引先への挨拶や、貸与品(社員証、パソコン、制服など)の返却、健康保険証の返却も忘れずに行いましょう。
退職日には、離職票・雇用保険被保険者証・年金手帳(基礎年金番号がわかるもの)・源泉徴収票など、退職後の手続きに必要な書類を受け取れるよう確認しておきます。最後まで誠実な対応を心がけることが、円満退職とその後の良好な関係につながります。
退職後に必要な手続き
退職後は、状況に応じていくつかの公的手続きが必要です。すぐに転職先が決まっていない場合は特に重要です。
第一に、健康保険です。これまでの健康保険を任意継続するか、国民健康保険に加入するか、家族の扶養に入るかを選びます。
第二に、年金です。会社員の厚生年金から、国民年金(第1号被保険者)への切り替え手続きが必要になる場合があります。
第三に、雇用保険(失業給付)です。離職票を持ってハローワークで求職の申し込みを行うと、要件を満たせば失業給付を受けられます。
第四に、住民税です。退職時期によって納付方法が変わるため確認します。第五に、税金の精算です。年内に再就職しない場合は、自分で確定申告を行う必要があります。これらの手続きには離職票や源泉徴収票などが必要なので、退職時に確実に受け取りましょう。手続きには期限があるものも多いため、早めに進めるのが安心です。
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まとめ
退職に関する書類は、退職願・退職届・辞表の違いを理解し、正しい順序とマナーで進めることが大切です。まず上司に口頭で意思を伝え、必要に応じて退職願を提出し、退職日が確定したら退職届を提出します。書き方は縦書きが正式ですが横書きも可能で、「タイトルと書き出し」「日付」「退職理由」「提出者と宛先」の4要素を押さえれば形が整います。自己都合なら「一身上の都合により」と書き、会社都合の場合は記載内容を会社と確認しましょう。封筒は白無地を使い、便箋は三つ折りにして入れます。ゼロから作るのが不安なら、bizoceanやMicrosoft Create、マイナビ転職、doda、Canvaなどの無料テンプレートを活用すると安心です。そして退職後は、健康保険・年金・雇用保険などの手続きを早めに進めましょう。円満に退職し、気持ちよく次のスタートを切ってください。
退職願と退職届の違いは何ですか?
退職願は退職を「お願いする」書類で、会社が受理する前なら撤回できる場合があります。退職届は退職が確定した後に「退職します」と届け出る書類で、原則として撤回できません。まず退職願、合意後に退職届という順序が一般的です。
退職届は縦書きと横書きどちらがいいですか?
縦書きが最も正式で一般的とされますが、横書きでも問題ありません。会社所定のフォーマットがある場合は、それに従いましょう。記載する内容は縦書き・横書きで同じです。
退職理由はどう書けばいいですか?
自己都合退職の場合は、詳細を書かず「一身上の都合により」とまとめるのが原則です。会社都合の場合は「一身上の都合」と書くと不利になることがあるため、会社側の事情を具体的に記載し、内容を会社と確認しましょう。
退職届の封筒や折り方はどうすればいいですか?
白無地の封筒の表面中央に「退職届」、裏面左下に所属と氏名を書きます。便箋は三つ折りにし、書き出しが内側になるよう下から、次に上から折ります。便箋がB5なら長形4号、A4なら長形3号の封筒が適しています。
退職届の無料テンプレートはどこで手に入りますか?
bizocean(ビズオーシャン)、Microsoft Create、マイナビ転職、doda、Canvaなどで無料ダウンロードできます。Canvaなどはスマホ対応で、スマートフォンからの作成・出力にも便利です。
辞表と退職届はどう使い分けますか?
辞表は、会社の役員や公務員など雇用契約で働いていない立場の人が辞意を示すときに使います。一般的な会社員は、辞表ではなく退職願または退職届を使うのが正しい使い分けです。

